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日本経営者新聞 No.38
アート・オブ・リビング創始者
シュリ・シュリ・ラビ・シャンカール氏来日

 4月23日、九段下のインド大使館で、インドの瞑想(めいそう)伝道師シュリ・シュリ・ラビ・シャンカール師を招いた集会が持たれました。シャンカール師は国際的な教育・人道支援を目的としたアート・オブ・リビング財団(NGO)の創始者であり、その活動は世界152カ国に及んでいます。スダルシャンクリア(「正しく認知された浄化法」の意)と呼ばれる呼吸法のほか、サハジ・サマディーという瞑想法やヨガも指導している世界的な精神的指導者であり、86年には当時のインド首相から「ヨガ・シロマニ」の称号を受けられました。

 同師は今なお続く世界各地の紛争地帯に住む人々や、甚大な自然災害に苦しむ地域への復興支援やトラウマ解消プログラム、刑務所での更生プログラムなど、多方面にわたる社会活動を行っています。暴力とストレスのない社会の実現に向けた同師の献身的な活動に対して、世界各国から国際的な数々の名誉賞が授与されています。

 大使館では集まった約200人の日印の参加者を前に、「神道は仏教を排斥せず、受容して共存した」ことを評価した上で、「私の夢は人類が一つの家族になること」と強調されました。

 さらに「神社に阿吽(あうん)の狛犬(こまいぬ)がいる。これは始まりと終わりを示したものだ。キリスト教でもアーメンと祈る。オームというのは原初からの音で、世界で共通しており、全ての文化にこの音が入っている」と語られました。

 また、呼吸法を正しく行うことにより、心のストレスを解き放ち、暴力のない社会をつくりだせると同師は語られました。

ブータンの選挙

 ブータンでは7 月13 日、2 回目となる国民議会総選挙(下院・定数47 )が行われた。その結果、野党 国民民主党(PDP )が
勝利を収め、ブータンで初めての政権交代が実現することとなった。前政権はブータン調和党(DPT )。

 ブータンの全人口は約70 万人、うち有権者381,790 人で、今回の投票率は66. 2%だった。選挙権はブータン国籍を持つ18 歳以上の国民。出馬できる被選挙権は、25 歳以上65 歳以下の有権者とされる。

 今回の総選挙により新首相に就任したツェリン・トブゲイ氏は47 歳と若く、王政時代からの閣僚が多く所属していた前与党との交代により、ブータンは王政から真の民主政へ世代交代を果たしたと言えよう。

 ティンレイ前首相は「選挙では負けてしまったが、これはブータンの民主化にとっては勝利だ。私たちは野党となったが、これからは、野党として、反対するだけの野党ではなく、与党と共に国と国民のために尽くす真の野党としてのあるべき形を示していく」と述べている。

「経済成長はGNHの最重要の一部」

 ブータンも他の発展途上国と同じ様に、急速な近代化と開発への懸念を抱えている。都市部への人口の流入が止まらず、若者の失業も増加している。

 インターネットによる外国商品の消費ブームによって外貨の枯渇、隣接する中国とインドの2 大国への対応など、新政権の課題は多い。

 しかし、GNH (国民総幸福)を国是とする姿勢は変わらない、とトブゲイ新首相は語る。その上で、経済成長を優先的に政策遂行すると表明した。

 トブゲイ新首相はさらに、「経済成長はGNH の最重要の一部で、まだこれからです。経済成長を促進することによって、ブータン国内に生じている格差問題に取り組み、貧富の差を縮めることが今後の最重要課題」と述べている。

 一昨年のブータン国王ご夫妻の来日以来、日本ではブータンに親愛感情を持つ人が増えており、日本からブータンへの観光客も大幅に増えた。ブータンの発展を望みつつも、ブータンの人々が持つ素朴で温かな国民性が変わらないことを日本のブータン・ファンは願っている。


「幸福度を活かした
  政策決定と地域創造」

 3月 19日、内閣府主催による日・ブータン共同研究・合同シンポジウムが都内で開催され、王立ブータン研究所所長カルマ・ウラ氏が「GNHと政策決定〜将来への課題」と題する基調講演をなされました。

「憧れてはいけない。精神の安らぎをなくしてしまうから」

 ウラ所長は、ブータンでは政府による政策決定の際にも、政策がGNHに沿ったものかという審査があり、この審査によってブータンでは経済発展や近代化のスピードをあえて和らげていると述べました。GNHを最初に提言された第4 代国王は『世界にはブータンより物質的に豊かな国がたくさんある。でも、憧れてはいけない』とおっしゃいました。憧れると自分が劣っていると考え、真似をするようになるのです。自分自身を見失い、精神的安らぎをなくします。それは、国の政策決定でも同じです。経済発展を急ぐと他国への依存度が高まり、最終的に政策面で様々なツケを払うことになります。

「笑うことが大切」

 統計ではブータン国民の14%が貧困とされています。しかし、この統計の尺度はお金です。ブータンの農村では自給自足しているので、食べ物や住まいの心配がなく、そのため、国民の幸福度が高いのだと思います。生きていること、自然の美しさや人間関係に喜びを感じること、そして笑うことが大切だとブータンの人々は思っています。 

「経済成長はGNHの最重要の一部」

 基調講演の後のパネルディスカッションでは、日本で独自のGNHを追及する地方自治体の長の方々が参加して「幸福度を活かした地域創造」について活発な意見が交わされました。 

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